俺の友人である鉢屋三郎は、くのたまののことが好きらしい。
 知った時はくのたまなんて正気か!?と叫んでしまった。直後に殴られた。気が短い奴だ。
 なんでも幼なじみらしい。5歳の時からって…片想い歴長くねえ?
 あれだけ分かりやすいのに、全く相手にされてねえぞ。
 そのとは三郎を通じて知り合ったけど、けっこう普通の奴だった。
 特別美人ってわけでもないし、胸もそんなに…あ、5歳だったら胸は関係ないか。
 でもいい奴なんだよな。課題以外で忍たまに何か仕掛けてくることないし。
 俺達は三郎の友達だからって、課題の対象外にしてくれるしな。
 うん、やっぱりいい奴だ。
 三年になっても三郎とは相変わらずだ。
 なんかこの間、三郎がやたら落ち込んでたな。が話しかけたらあっさり立ち直ってたみたいけど。
 進展するかと思ったけど、その後も特に変わった様子はない。
 見ていてじれったいんだよな…まあ、次第ってやつか。
 雷蔵も「まどろっこしいなあ」とかぼやいてたし。容赦ない本音だな。
 まあ雷蔵は顔がの好みって理由で、三郎に付き合わされたりしてるしな。
 …お、こっちに向かって来てるのってそのだ。

「ああ、竹谷」
「よ、
 その首に巻いてるやつって…」
「ええ、くのたまの敷地内にいたのでつれてきたんです。
 生物委員会で飼っている蛇では?」
「あ、ああ、アオダイショウのきみこだ。
 わざわざ悪いな」
「いえ、蛇はまだ触れるのでよかったです。
 虫だったら触れませんでした」

 はい、と渡されたきみこを受け取った。いつの間に逃げたんだよ、お前。孫兵が泣くぞ。
 礼を言ってがその場から離れようとして…落とし穴に落ちた。
 って、おいおい! 誰だよ、サインを置かずに落とし穴作った奴は!!

、大丈夫か!?」
「ええ…足捻ったみたいです」
大丈夫じゃねえよな、それ!?

 それほど深い穴じゃないし、落ち方がまずかったのか?
 きみこを地面に降ろして、俺はを抱き上げた。
 あ、思ったより胸はあ「八――っ!!」…げっ、三郎!?
 なんでこのタイミングで来るんだよ! こんなを抱きしめてる時に…って、三郎の奴マジで怒ってる!!
 こっちの言い分聞いてくれそうにねえよな。

「三郎」

 の声は大きいわけではないのに、よく通る声だ。
 俺に向けられていた殺気は一瞬で消えて、意識はに向けられる。
 すげえよ、。あの三郎が言うことを聞いたぞ。
 名前を呼ばれたことで落ち着いて冷静になったのか、落とし穴の傍にいる俺達の体勢を見て状況を把握したらしい。
 片手で顔を隠してため息を吐いている。

「…悪かったな、八」
「え?」
「っ、二度は言わないぞ!!」
 あの三郎が謝った。一応早とちりしたことは反省してるんだな。

「竹谷君、ありがとうございます」
「ああ、うん」
、怪我は!?」
「足捻りました」
「は!? ちょ、おまっ!?」
「痛いです」
「〜っ、そういうことは早く言え!
 保健室に行くぞ!!」

 の怪我を知るやいなや、抱き抱えてあっという間に言ってしまった。
 …行動早すぎだろ、あいつ。そしてのこと好きすぎだ。
 大人しくしていてくれたきみこを撫でて思う。



気になる



(三郎頑張れよー)

 やっぱり友人としてあいつの恋路を応援すべきだろ。
 い組2人と雷蔵にでも相談してみるか。





'11.8.4〜'11.8.25 拍手公開。