いざ忍術学園へ行こうという日、三郎が狐の面をつけていました。
 何してるんですか、あんた。
 そんな視線を送ればすぐに察したのか、「親父に素顔を見せるなって言われた」と理由を教えてくれました。
 狐の面はその頭領がくれたそうです。相変わらず茶目っ気のある人ですね。巻き込まれない限りいい人です。
 でもそれだけでそんな不機嫌になるのは珍しいです。他にも理由があるのかもしれません。
 教えてくれないということは、言ってはいけないことか言いたくないかのどちらかですかね。
 とりあえず、今日から私達は忍術学園の忍たまのくのたまです。
 死なない程度に頑張ります。学費は頭領が出してくれるので、気は抜けません。
 母からは花嫁修業してこいと言われました。くの一になれじゃなくて何故花嫁?相手がいませんよ。
 …まあ、いいです。
 忍術学園、思った以上に楽しいところです。
 先輩方も同級生もいい人ばかりです。…忍たまに接している時は怖いですけど。
 特に先輩方、忍たま達に何か恨みでもあるんですかね?
 三郎がいるので私は参加しづらいんですが、先輩に幼なじみがいることを伝えたところ「彼を好きか?」と聞かれたので頷きました。
 好きか嫌いかで聞かれたら、もちろん好きですよ。
 里で唯一普通に接してくれた大事な友人です。
 そういえば、ここ3,4日ほど会ってませんね。

、いるか?」

 …噂をすれば何とやら、ですか。
 それよりもくのたま長屋は男子禁制なんですよ。何回も言ってるのに聞かない人ですね。

「三郎、何度も言うようですけどくのたま長屋は…」

 注意しようと彼の顔を見て、思わず固まってしまいました。
 いや、だって狐の面じゃないんです。そして彼の素顔でもないです。
 部屋に招き入れた声が裏返りそうでしたよ。うわーっ、近くで見ると本当に良くできてますね、さすがです!!
 それにしてもこの顔、不破雷蔵のものですよね?仲良くなったと言ってましたし。
 うわーっ、うわーっ、本物ですよ!!
 あれは漫画だからいいのであって、三次元はねーよ!とか思ったりしてごめんなさい。
 かっこよさは本物ですね!
 ああ、それにしても本当にかっこいいです。

「かっこいい…」

 あ、口に出しちゃいましたか。まあ、いいです。
 って、三郎?何そんなに驚いているんですか?

「…そんなにいいのか?」

 何がです?…ああ、今の私の言葉ですか。それはもちろん、

「はい、好みど真ん中です!!」

 格好良すぎですよ!!
 …あれ、三郎?何固まってるんですか?



目にも入らない



 どうやら三郎の顔は、やはり不破雷蔵のものだったみたいです。
 当分は彼の顔でいるらしいですよ。
 こういうのを眼福って言うんですかね?あれ、違います?
 それにしても、三郎の変装術は相変わらず見事です。すごいですよ。
 私の自慢の幼なじみです。





'11.6.16〜'11.7.1 拍手公開。

夢主の好みの外見は雷蔵です。