物心ついた時から、私は天才と呼ばれていた。
自分でもそれは自負していた。事実だしな。私は己を過大評価も過小評価もするつもりはない。
鉢屋衆の将来を担うのだから、このくらい当然だろう。まあ、継ぐのは兄だがな。
周囲からちやほやされるのが嫌だったわけではないが、少々鬱陶しい気持ちがあったことは否定しない。
だからの態度はとても新鮮だった。
初めて顔合わせの時より前から、話には聞いていたんだ。家に私と同い年の変わった娘がいると。
会ってみれば、確かに変わっていた。
面倒だという顔を隠しもせず(父親に殴られ悶えていた)、かと思えば5歳児とは思えない表情をしたり(私も人のことは言えないが)見ていて飽きなかった。
ついでに言うと最低限の挨拶をした後は、私と父に興味は失せたらしく一度も目が合わなかった。なんだ、こいつ。
きっかけは、そんな単純なものだ。私に感心のないそいつに興味を持った、それだけ。
それから私はことあるごとにと一緒にいるようになった。
最初は単なる興味からだった。だが、いつからかはっきり分からない。
気づけばを目で追い、のことばかり考えていた。…惚れたとも言うな。
様付けしなくていいのも、敬語もいらないと言ったのもあいつにだけだ。
なのに!何故あいつは私の気持ちに気づかないんだ!?
他の奴らと態度が違うことには気づいているのだから、何故そこから深読みしない!?
一度「いい加減私に惚れろ!」とうっかり言ってしまったが、「嫌ですよ」と即答しやがった。
そのなに言ってんだこいつ、と言う目で見るのはやめてくれ。泣けてくる。
私が空振るたびに身内で笑い話になるのは腹の立つ話だ。と言うか親父、笑いすぎだ!
まあ、そんな報われない片想いをして4年、私は忍術学園へ入学することになった。
休みにならないと帰れないなんて冗談じゃない。
私のいない間、に悪い虫が付いたらどうするんだ!?
親父に忍術学園に行くならも通わせてほしいと言ったら、何故かあっさり許しが下りた。
…なに企んでるんだ、くそ親父。嫌な予感しかしない。
「忍術学園で学ぶ六年間、その間にと恋仲になれ。
そうすればあいつをお前の許嫁とし、お前に嫁がせよう。
だがもし恋仲になれなかった場合、私が決めた相手と結婚しろ」
とんでもないこと言いやがった、こ の 親 父 。
しかし、今のままでは私達の関係は変わりそうにないのも事実だ。悲しいことにな!
覚悟しておけよ、!何がなんでも私に惚れさせてやる!!
ああ、だからそんな嬉しそうな顔、「ありがとうございます」なんてそんな顔で言うな。
そんなに忍術学園に行きたかったのか?
まあ、お前里の子ども達から敬遠されてたからな。
ああ、くそっ、顔が熱い。
私ばかりこんなに想うのは不公平じゃないか!?
というわけで、
「忍術学園に通う六年の間に、私に惚れさせてやるから覚悟しておけ!」
「…はい?」
宣戦布告
だからその何言ってんだこいつ、という目はやめろ!
そのままの意味だから覚悟しておけよ!?
'11.6.1〜'11.6.15 拍手公開。
三郎を振り回したい、という思いつきで考えました。
大体こんなノリで続きます