僕の親友である鉢屋三郎は、幼馴染みのちゃんと付き合っている。
 その付き合うまでの間にいろいろあったけど、それは割愛しておく。
 一年の頃から三郎の片思いを見てきたから、やっと苦労が報われて僕も嬉しいんだ。
 ああ三郎、そんな人前で抱きついてるとちゃんが怒るよ。彼女照れ屋なんだからね。
 なんだか三郎の想いが重すぎて、一方通行みたいに見えるよ。
 「蓮見の愛が軽い…」って、そんなことないよ、普通だよ。三郎が重すぎるんだって。
 ちゃんもよくあいつと付き合えるなあ、尊敬するよ。あんな四六時中まとわりつかれて鬱陶しくならないのかな?

「…雷蔵って笑顔で毒吐くよな」
「そう?」

 本当のことを言っただけなんだけどなあ。そんな力いっぱい頷かなくても良いじゃない、八。

「あ、雷蔵君、八左ヱ門君」

 噂をすればちゃんが現れた。
 2人が付き合いだしてからすぐ、僕達もちゃんのことを名前で呼ぶようになった。
 その時の三郎の顔は面白かったな。あれで僕の顔じゃなかったらもっと面白かったのに。
 ……おっと、考えが逸れた。
 とにかく三郎の愛が重すぎて鬱陶しいくらいだけど、ちゃんとちゃんも三郎のこと好きみたい。
 だって、ねえ、



あ、まただ



 僕達と会話しながら、不自然じゃない程度に視線が何かを探している。
 それがある方向で止まると同時に「!」と三郎の声がした。
 何か、なんて言うまでもないよね。





'12.7.12〜'12.8.19 拍手公開。

以前拍手で連載していた『君を落とす10日間』の続きです。
前回よりは甘くなっている……といいなぁ(願望)